2026年 年頭所感

新しいエネルギーと電力システムの調和に向けた「低圧VPP」元年!
再エネを最大限に活用できるサステナブルな社会に貢献

2026年1月1日
株式会社Shizen Connect
代表取締役CEO 松村宗和

新年あけましておめでとうございます。

2025年は、世界的な情勢不安が続き、エネルギーの安定供給と経済安全保障の重要性が改めて強く認識された一年となりました。同時に、人工知能(AI)の社会実装が急速に進む中で、これを支えるデータセンター等の電力需要が急増し、日本の電力需要が長期的な増加傾向に転じるとともに、電力インフラへの負荷増大が懸念されています。

この「電力大量消費」時代において、私たちは供給力の確保と、地球規模の課題である脱炭素化を同時に達成しなければなりません。集中型の従来の電力システムではこの課題を解決することは難しく、再生可能エネルギーを最大限に導入しながら需給の変動に対応できる、分散型かつ柔軟な電力ネットワークを構築していくことが喫緊の課題です。こうしたなか、分散型電源を束ねて、電力の需給調整に活用する仮想発電所「VPP」(*1)への期待が集まっています。

このような環境下で、当社は「新しいエネルギーと電力システムの調和」というビジョンを掲げ、VPPプラットフォーム事業を力強く推進してまいりました。

おかげさまで、当社のVPPプラットフォームである「Shizen Connect」は、国内の「DR・VPPプラットフォーム市場シェアNo.1」(*2)を獲得しています。

低圧VPPの分野では、経済DR、需要創出DR、需給ひっ迫DR等の幅広い制御種類と、家庭用蓄電池及びヒートポンプ給湯器(エコキュート)等の主要な機器メーカーとの連携を武器に、市場シェア合計36%(*3)を占める大手電力小売等に商用サービスを提供しています。また、低圧リソースによる容量市場・需給調整市場への参入に向けた実証など、新たな収益機会の創出に向けた取り組みも実施しています。

発電側蓄電池の分野では、系統用蓄電池の運用代行案件3件で運用を開始、卸市場及び需給調整市場での取引を行うとともに、容量市場参入に向けた準備も進めています。また、大手発電事業者やアグリゲーター向けのSaaS提供を拡大し、2026年初頭にはその提供先が10社に達する見込みです。これらの案件運用を支える予測・計画作成ロジックの改善と、セキュリティの向上にも精力的に取り組んできました。

本年におきましては、4月に需給調整市場における低圧リソースの活用が本格的に解禁されることは、分散型エネルギーリソース(DER)が主役となる時代の幕開け、すなわち「低圧VPP元年」を意味します。これを追い風として、「Shizen Connect」のより一層の普及拡大を目指し、2026年は以下の3点に注力して事業を推進してまいります。

① 低圧VPPの全市場対応とリソース拡大

2026年には、低圧リソースによる容量市場の実需給開始、及び需給調整市場においても一次オフライン枠での実需給開始を目指します。これにより、卸市場、容量市場、需給調整市場の全市場の対応を実現し、電力小売の皆様の収益最大化に貢献します。

また、制御可能な低圧リソースの市場導入の加速を目的として、 ZEHやGX-ZEH(*4)といった次世代住宅への導入を見据えた補助金対応を強化します。

② 系統用・再エネ併設蓄電池制御の拡大と広域連携

市場の成長著しい系統用蓄電池制御及び再エネ併設蓄電池制御の分野において、大手エネルギー事業者向けのSaaS提供を拡大し、運用収益の最大化と業務効率化に貢献します。

また、蓄電池メーカーだけでなく主要なローカルEMSメーカーとの連携を推進することで、多種多様なメーカーの蓄電池や周辺機器を用いた蓄電所の機器構成に柔軟に対応します。

③ 24/7カーボンフリー電力(*5)の実証と技術開発

世界的な脱炭素化の流れの中で、先進的なニーズをもつデータセンター事業者などを対象に、カーボンフリー電力と需要電力量を1時間単位で一致させる「Hourly Matching向け制御」の商用化に向けた実証を進め、環境価値を最大化する次世代の需給一体制御を実現します。

「新しいエネルギーと電力システムの調和」は、決して一社だけで成し遂げられるものではありません。当社は、エネルギー会社、発電事業者、アグリゲーター、機器メーカー等の皆様に共通機能としてのVPPプラットフォームを提供することで、各社が自社の強みを最大限に発揮し、迅速かつ柔軟に各々のVPPビジネスを展開できる「場」を提供し続けます。

分散型エネルギーリソースを活用し、経済性とレジリエンスを両立させたサステナブルな社会の実現に向け、全社員一丸となって邁進していく所存です。

本年も皆様のより一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

*1 Virtual Power Plant(VPP、仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること。
*2 法人契約数ベースの事業者別市場シェア。富士経済「次世代の分散型電力システムの基盤を担うDR・VPPプラットフォーム市場の全容」(2025年1月17日発刊)
*3 新電力ネット「全国の販売量(低圧・電灯)ランキング(2025年6月実績)」より当社試算
*4 Net Zero Energy House(ZEH):建物の断熱性能の向上及び高効率な設備の導入による「省エネ」と、太陽光発電などの再生可能エネルギーを創り出す「創エネ」によって、エネルギー収支が正味ゼロになることを目指した住宅。
*5 24/7カーボンフリー電力(24/7 CFE):毎日24時間・毎週7日間、すなわち年間365日にわたってCO2を排出しない電力の名称。経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」に従い、需要電力量の100%について、CO2ゼロエミッション電源(再生可能エネルギー発電設備および水素発電設備)を電源構成とし、非化石証書の使用による環境価値とともに供給することを意味しており、燃料の製造・輸送等のライフサイクルを含めてCO2が排出されないことを意味するものではない。

【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について】
「Shizen Connect」は蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、その制御価値の電力市場取引などを行うエネルギー管理システムです。ピークカットによる電気代削減やマイクログリッドの構築、そして各種電力市場向け制御によるVPP(仮想発電所)の構築などを実現します。家庭用蓄電池のVPPプラットフォームとして東京ガスや東京電力エナジーパートナー、東北電力、北陸電力などに採用され、系統用蓄電池の制御では大阪ガスや東急不動産、西鉄グループなどに採用されています。
Shizen Connectは、DR・VPPプラットフォームの法人契約数ベースの市場シェアNo.1を獲得しております(富士経済調べ、2023年度)。

【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名  :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立   :2023年10月2日
株主構成 :自然電力㈱100%
※大阪ガス㈱、㈱JERA、四国電力㈱、新日本空調㈱、㈱ソラコム、ダイキン工業㈱、東急不動産㈱、東京ガス㈱、西日本鉄道㈱、北陸電力㈱、北海道電力㈱及び事業会社1社(社名非公表)の計12社と新株予約権付転換社債による資本業務提携契約を締結
代表者  :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL   :https://se-digital.net