ElecONEとShizen Connectがパートナー契約を締結、系統用蓄電池制御のワンストップ型ソリューションの共同提供へ
〜電力小売によるアグリゲーション事業への参入を支援〜
電力事業者向け需給管理・需給調整市場ACソリューションを提供するElecONE株式会社(以下、ElecONE)と、VPP(*1)プラットフォーム開発会社の株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、系統用蓄電池制御のワンストップ型ソリューションを共同で提供すること(以下、本協業)を目的としたパートナー契約を締結したことをお知らせします。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速し、太陽光や風力等の再生可能エネルギーの開発が進む中で、その出力変動に対応できる調整力として系統用蓄電池に対する期待が高まっています。2024年4月には一次調整力や二次調整力①、②を含む需給調整市場の全商品の取引が開始されたほか、容量市場の実需給の初年度を迎えるなど、事業者にとって系統用蓄電池の収益機会が拡大しています。
一方で、系統用蓄電池を活用して各種市場取引に対応するために必要となる需給管理システムと蓄電池制御システムを、小売電気事業者が自ら構築・運用しようとすれば、多大な開発投資や運用負荷が課題となります。本協業は、この課題を解決し、小売電気事業者のニーズに迅速に応えるために、両社の強みを組み合わせてソリューション提供を行うものです。
ElecONEは、全自動で全ての需給オペレーションに対応できる最先端の需給管理ソリューション「ElecONE」(図1、図2。以下、「ElecONE」)を展開しており、大手電力を含め60社以上の小売電気事業者にソリューションを提供しています。また、需給調整市場ACシステムにより需給調整市場での取引管理機能を提供しております。
Shizen Connectは、自社で開発・運用するエネルギーマネジメントシステム「Shizen Connect」(以下、「Shizen Connect」)を用いて、系統用及び産業用蓄電池を含む幅広いエネルギーリソースの制御・監視を行ってきました。複数の系統用蓄電池案件の運用代行(*2、*3、*4)及びSaaS(Software as a Service)提供(*5)の実績があり、卸市場向け制御、需給市場の各商品向け制御、容量市場発動指令電源向け制御をはじめとした幅広い制御を提供することが可能です(表1)。
本協業では、「ElecONE」と「Shizen Connect」を相互に連携させ、ElecONEの需給管理・需給調整市場AC機能と、Shizen Connectの系統用蓄電池の制御機能をセットで提供することで、需給管理から蓄電池の運用・制御までをシームレスに繋ぐワンストップソリューションを提供可能にします(図3)。このソリューションを利用することで、小売電気事業者は多大な開発投資を行うことなく、既存の電力小売事業の延長でアグリゲーション事業へ参入し、新たな収益機会を獲得することが可能となります。
Shizen ConnectとElecONEは、今後も両社の強みを活かした連携を強化し、脱炭素化社会の実現に向けた貢献を続けてまいります。
■各社からのコメント
ElecONE株式会社 代表取締役 盛 永明
弊社が提供する「ElecONE」は、株式会社Shizen Connectが展開する蓄電池制御システムとの強いシナジーを有する需給管理・需給調整市場ACサービスです。
本協業により、特定卸供給事業者の市場への参入ハードルを低減し、再生可能エネルギーの導入拡大と電力の安定供給に寄与できると確信しております。
ElecONE株式会社は、株式会社Shizen Connectとの連携を通じて、小売電気事業者および特定卸供給事業者に最適なソリューションを提供し、脱炭素社会の実現と持続可能な社会の構築に貢献してまいります。
株式会社Shizen Connect 代表取締役CEO 松村 宗和
この度、ElecOne様との協業を発表できることを、大変光栄に思います。
本協業により、ElecONE様の需給管理システムを導入されているお客様はスムーズに系統用蓄電池アグリゲーション事業へ参入可能になります。また需給管理システムの新規導入やリプレースを検討されるお客様にとっても、本協業は魅力的なワンストップソリューションとなります。
Shizen Connectはこれまでに培ったVPP技術を活用し、系統用蓄電池の運用実績とそのノウハウを積み重ねております。本協業を通じて幅広いお客様に両社の技術と専門性をお届けし、脱炭素化社会の実現に尽力してまいります。
図1 「ElecONE」需給管理のイメージ

製品情報:https://www.elecone.jp/supply-and-management/
図2 「ElecONE」需給調整ACのイメージ

製品情報:https://www.elecone.jp/servicemarket-ac-system/
図3 本協業のスキーム

表1 発電側蓄電池制御 メニュー一覧
メニュー | 内容 | 系統用蓄電池 | 再エネ併設蓄電池 |
卸市場向け制御 | 卸電力市場の市場価格に連動した充放電制御 | 〇 | 〇 |
容量市場向け制御 | 容量市場の発動指令に基づく放電制御 ※安定電源の場合は余力活用契約向け制御を使用 | 〇 | ー |
余力活用契約向け制御 | 一般送配電事業者からの指令を受け上げ/下げ余力を提供する充放電制御 | △ 準備中 | ー |
需給調整市場向け制御 | 需給調整市場の約定結果に基づく充放電制御 ※ 一次/一次オフライン/二次①相当/二次②三次①② ※ 発動率が想定よりも低い場合や入札不落時には蓄電池の残量調整を実施 | 〇 | △ 準備中 |
出力制御回避制御 | 出力制御による売電損失の低減を目的に、出力制御の時間帯に再エネを充電し、卸電力市場価格の高い時間帯に放電する制御 | 〇 | 〇 |
Hourly Matching向け制御 | 24/7 CFE(Carbon Free Energy)の経済性を最大化し、各サイトで発生するインバランスを低減する制御 | △ 準備中 | △ 準備中 |
*1 Virtual Power Plant(仮想発電所):分散型電源(発電設備、蓄電池、EVなど)や需要設備を遠隔で統合・制御することで、あたかもひとつの発電所のように機能させること。
*2 系統用蓄電所「西鉄自然電力バッテリーハブ宇美」 開所式を開催(2024年6月11日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2024/06/11/opening_ceremony_batteryhub_umi/
*3 Shizen Connect、系統用蓄電池運用代行の第2号案件として「西鉄自然電力バッテリーハブ飯塚」の運用を開始(2024年12月2日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2024/12/02/sc_ns2nd_battery_operation/
*4 Shizen Connect、東急不動産がTENOHA東松山で実施する系統用蓄電池事業に採用(2023年8月3日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2023/08/03/shizenconnect_tokyu_grid_battery/
*5 エネルギー管理システム「Shizen Connect」が、大手都市ガス会社の系統用蓄電池事業の制御・監視システムに採用(2023年12月8日付プレスリリース)https://www.shizenenergy.net/2023/12/08/osaka_gas_adopt_shizen_connect/
【エネルギー管理システム「Shizen Connect」について】
「Shizen Connect」は蓄電池・EV・エコキュートなどのエネルギー機器をIoT/AI技術で制御し、その制御価値の電力市場取引などを行うエネルギー管理システムです。ピークカットによる電気代削減やマイクログリッドの構築、そして各種電力市場向け制御によるVPP(仮想発電所)の構築などを実現します。家庭用蓄電池のVPPプラットフォームとして東京ガスや東京電力エナジーパートナー、東北電力、北陸電力などに採用され、系統用蓄電池の制御では大阪ガスや東急不動産、西鉄グループなどに採用されています。また、Shizen Connectは、DR・VPPプラットフォームの法人契約数ベースの市場シェアNo.1を獲得しております(富士経済調べ、2023年度)。
【株式会社Shizen Connect 会社概要】
会社名 :株式会社Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町2丁目4番7号
設立 :2023年10月2日
株主構成 :自然電力㈱100%
※大阪ガス㈱、㈱JERA、四国電力㈱、新日本空調㈱、㈱ソラコム、ダイキン工業㈱、東急不動産㈱、東京ガス㈱、西日本鉄道㈱、北陸電力㈱、北海道電力㈱及び事業会社1社(社名非公表)の計12社と新株予約権付転換社債による資本業務提携契約を締結
代表者 :代表取締役CEO 松村宗和
事業内容 :VPPプラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT機器販売事業など
URL :https://se-digital.net